不動産投資の近況 ~「不労所得」の現実~

「大家になって不労所得を得たい」と考え、不動産投資に興味を持たれる方は少なくありません。
しかし、私の顧問先には不動産賃貸業を営まれている方が多く、その現場を見ていると、現在の
不動産投資は決して簡単な状況ではないと感じています。
 今回は、首都圏の収益物件市場の現状についてご紹介します。

想定する物件

今回は、次のような条件の物件を前提としています。

・20年前後の1棟アパート
・物件価格 5,000万円
・東京市部(23区内外)・千葉県・埼玉県・神奈川県の16号内側
・金融機関の融資を利用して購入
・表面利回り(年間家賃収入÷物件価格)で比較

表面利回り10%前後

このような物件は、一般の投資家まで情報が回ってくることはほとんどありません。
不動産会社や買取業者がすぐに購入し、その後リフォームや賃料改善などを行ったうえで
再販売されるケースが多く見受けられます。

表面利回り8%前後

物件情報が公開されると同時に購入申込みが集中する水準です。
特に現金で購入できる投資家が優先されることが多く、融資を利用する一般投資家が購入できる
機会は限られています。
また、業者が現金で取得し、利回り6%程度の商品として販売するケースも珍しくありません。

表面利回り6%前後

一般の投資家が比較的購入しやすいのは、この水準の物件です。
ただし、借入を利用した場合は毎月の手残りが多くありません。そのため、短期的な利益を期待
するというより、長期保有を前提に借入残高を着実に減らしていくことが重要になります。
さらに、近年は家賃相場が上昇傾向にあるため、購入後に家賃を適正水準へ見直すことで利回りを
改善できる物件を選ぶことも、有効な投資戦略の一つといえるでしょう。

物件選びが最も重要

現在の不動産投資では、「物件を購入すれば利益が出る」という時代ではありません。
利回りが低いだけでなく、土地の資産価値が乏しい物件を購入してしまうと、将来的な売却にも
苦労する可能性があります。そのため、収益性だけではなく、土地の資産価値や出口戦略まで考えた上で
購入を判断することが重要です。
不動産投資は、金融機関の融資を活用できる魅力的な資産運用方法ですが、現在の市場環境では以前にも
増して慎重な物件選定が求められます。
「不労所得」というイメージだけで判断するのではなく、収支・資産価値・将来の売却まで含めて総合的に
検討し、自分に合った資産運用方法を選択することが大切だと考えています。

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