税理士報酬の相場とは?
3月15日の所得税確定申告業務の後、4月末までの間に複数の紹介会社から、新規顧問契約
の相談を10件以上頂きました。約3分の1の方と契約をしましたが、その中でも税理士報酬に
関して、しばしば話題にあがります。
①税理士報酬が高いので、ネットの記事やYouTube動画を見て、自分で申告を行う事にした。
②他の税理士の方がもっと安い金額で受任してもらえそうなので、他の税理士にした。
上記理由で契約に至らなかったケースが多々ございます。
では、適正な税理士報酬とはどのようなものでしょうか。
まずは①、自分で申告する場合と、税理士が申告する場合の違いから考えてみて下さい。
税理士が申告をする、という事は申告書の体裁が整っております。また脱税行為に対しては、
申告業務を受任しないため、一定のふるいにかけられた状態です。税務署は調査を行いたい
のはどちらでしょうか。答えは明らかです。
また、ネット記事やYouTube動画を見た上で、自分で申告が出来ると考えた場合、その事例
はあなたと全く同じ資産背景ですか?全く同じ事業を行っておりますか?その内容は本当に合
っていますか?
次に②、全ての資料を丸投げして、申告を依頼する場合を考えてみて下さい。
一般的な申告までの流れは、下記のようになります。
資料の丸投げ(顧問先)→(ここから税理士)資料の整理・不足資料の問合わせ→インボイス
登録番号のチェック→複式簿記による帳簿書類の作成→決算報告書・申告書の作成→電子申告
→資料の納品(顧問先)
顧問先は、税理士事務所の作業内容を把握しておりませんが、実際にはこれだけの業務を行っ
ております。税理士の時間単価は1時間1万円(大きい事務所では2~3万円もザラ)と言われてお
ります。年間10万円の申告業務の受任をためらうのは、上記作業工程が発生するからです。
受任した税理士事務所は、所長税理士は書類のチェックをせず、実務経験に乏しい新人スタッフ
が申告作業を行う場合が多いのも現実です。
とは言っても個人事業主、中小企業のオーナーと税理士は、人と人の付き合いになりますので、
私の場合、相性が良ければ採算度外視で契約してしまう場合もございます。